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乳がんに対する術前化学療法の効果の判定に、N-NOSEが有効であることを実証した原著論文が国際科学誌に掲載

2025.08.26

乳がんに対する術前化学療法の効果を判定するのにN-NOSEが有効であることを実証した原著論文が、2025年6月21日付で、国際学術誌Cellsに掲載されました。本論文は、岐阜大学医学部附属病院外科の 二村 学 乳腺外科教授、松橋 延壽 消化器外科・小児外科教授との共同臨床研究の成果になります。

乳がんは、世界中の女性に最も多くみられるがんの一つであり、依然としてがんに関連した死亡の主な原因の一つとなっています。したがって、診断と治療の両面においてさらなる技術進歩が緊急に必要とされています。臨床現場では、乳がんはエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、ヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)の発現レベルを利用して4つのサブタイプに分類され、これらのサブタイプのハイリスク早期乳がん患者の多くは、標準治療としてネオアジュバント化学療法(NAC)が採用されます。特にHER2陽性、トリプルネガティブのハイリスク乳がん患者において、病理学的完全奏効(pCR)がより良好な生存と関連することが先行研究で報告されていることから、pCRをできる限り正確に評価することは臨床現場において重要といえます。

しかしながら、現在のところ、乳がん患者の治療効果の評価は、主にコンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴画像法(MRI)などの画像検査に依存しており、これらによる評価だけでは、残存病変を確実に除外することはできないという課題があります。そこで、乳がんにおけるNACの治療反応を予測する目的でN-NOSEを利用し、その有効性を検証しました。

本「前向き」臨床研究では、尿検体を用いたN-NOSEの予測能を評価するために、NACおよびその後に手術を受けた乳がん患者36人を登録し、線虫の走性解析結果を用いて、治療段階間の走性インデックス値変化を反映する指標減少スコア(IRS1-3)を算出しました。pCRは36.1%の患者で達成され、これらの患者で解析された3種類のIRSのうち、治療前の走性インデックス値から手術後の走性インデックス値を減算したIRS3は、pCRに対する予測能がAUC=0.75と最も高く、N-NOSEによる指標減少スコアは、乳がん治療効果評価のための非侵襲的バイオマーカーとして有用である可能性が示されました。

当社の線虫がん検査「N-NOSE」は2020年1月に実用化されており、現在までに80万人以上の方々にご利用いただいています。線虫の嗅覚を利用したがん匂い検知法は、米国やイタリアの著名な研究機関でもすでに再現されており、最近ではスロバキアの研究機関の成果が学術論文として報告されています。当社は多くの臨床研究を通じて「線虫の嗅覚を利用したがん匂い検知技術」の科学的・医学的な有用性を広く発信すると同時に、がんスクリーニング検査の仕組みを広く浸透させていくことで、がんを早期発見できる社会づくりの実現に貢献していきます。

【論文題目】

Application of N-NOSE for Evaluating the Response to Neoadjuvant Chemotherapy in Breast Cancer Patients

【論文著者】

Yoshihisa Tokumaru, Yoshimi Niwa, Ryutaro Mori, Mai Okawa, Akira Nakakami, Yuta Sato,

Hideyuki Hatakeyama, Takaaki Hirotsu, Eric di Luccio, Nobuhisa Matsuhashi, Manabu Futamura*

【掲載雑誌】

Cells

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