Member Interview

「常識の先を行く」
HIROTSUバイオサイエンスで
研究者として働く魅力をインタビュー

湘南R&Dセンター長 兼 執行役員 エリック デ ルクシオ Eric di Luccio

2003年 神経科学構造生物学専攻、理学博士号を取得(地中海エクスマルセイユII大学院大学、フランス)。2003年 カリフォルニア大学デイビス校(アメリカ)分子生物学部及びコンピューターサイエンス学部にて研究員。2010年 慶北大学(韓国)、助教授。2014年 慶北大学(韓国)、准教授。2020年 当社入社、湘南R&Dセンター長として着任、2022年 当社、湘南R&Dセンター長 兼 執行役員・技術最高責任者(CTO)・研究開発責任者(現任)。

「線虫を用いた癌検査」画期的な考えに感銘を受けた

エリック デ ルクシオ

HIROTSUバイオサイエンスの入社理由を教えていただけますか。

「線虫(C. elegans)を用いた癌検査」という画期的な考えに感銘を受けたことと、それを1人の研究者が会社を設立して、サービスとして世の中に届けようとしていることに衝撃を受けたからです。「このテクノロジーは日本に限らず至る所で、色々な人の人生を変えていく!」こう確信し、私もこの画期的な研究に携わりたいと思い入社しました。

一般的には線虫はあまり知られていないかもしれませんが、サイエンスの世界ではモデル生物として非常に有名です。あれほど小さいのに皮膚もあるし筋肉もあるし脳もある。線虫を人間のシンプル版と捉えて、研究の対象にもなっています。しかし、今まで線虫そのものを活用して癌を見つける発想はありませんでした。私達、研究者にとってはまさかのコペルニクス的な発想だったのです。

エリック デ ルクシオ

エリックさんは元々、癌研究に携わっていたと聞きました。線虫(C. elegans)を用いた癌検査を知ったのはいつ頃だったのでしょうか。

2015年か2016年頃、「PLOS ONE」という科学雑誌にN-NOSEの原理となる研究が書いてあり、線虫を用いた癌検査の存在を初めて知りました。それを読んで「すごいな」と思ったのですが、当時は韓国で自分の研究が忙しかったのもあり、深くは調べなかったんですよね。

その後、2020年にふと見つけた求人がHIROTSUバイオサイエンスの求人でした。それまで会社を設立しているとは知らなかったので、本当に驚きました。しかも、今回の募集ポジションは、センター長のポジション。広津社長の近くで仕事をすることができます。こんなチャンスはもうないと思い、すぐに応募したのを覚えています。

良い意味で常識から外れた考えを持つ

エリック デ ルクシオ

すごいご縁ですね。広津社長も驚かれたのではないでしょうか。実際に広津社長とお会いして感じた印象も教えていただけますか。

広津社長はとても情熱的でエネルギッシュでポジティブな人です。一助教授から会社を設立するのはすごくエネルギーがいるし、自分を奮い立たせないとできないはず。これまでたくさんの研究者と会ってきましたが、何かを成し遂げると決めて、周りを巻き込み進めていける人はほとんどいませんでした。

その点で広津社長は、良い意味で常識から外れた考えを持っていますね。ほとんどの人は問題を指摘してできないことに目を向けがちですが、広津社長は常に描いた未来に向かうために、どうやったらできるかを考えています。私自身も「解決法は必ずある」と考えるタイプなので、お会いしてより一層、一緒に働きたいという気持ちが強くなりました。

エリック デ ルクシオ

今はエリックさんはどのような仕事に取り組んでいますか?

私はセンター長として、次世代のN-NOSEをより高精度なものにするために、才能のある研究者チームをマネージメントしています。その研究開発こそが当社のビジネスの成功の鍵となります。最近では、線虫を活用して、すい臓癌の特定ができるようになりました。すい蔵は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、癌の早期発見や特定、治療も難しい臓器です。この発見は、世の中の多くの人に希望を与えるニュースになるでしょう。まだまだ線虫は無限の可能性を秘めています。

これからの研究も楽しみですね。

N-NOSEは製品も技術も、新しい概念を取り入れています。研究者として、新しすぎる、まさに「too new!」、最先端なこの技術を生み出していることは私達の誇りです。今後も新しいN-NOSEの開発に取り組み、世の中に素晴らしい技術を届けたいと思います。

研究者にとって本当に恵まれた働きやすい環境

エリック デ ルクシオ

HIROTSUバイオサイエンスの研究者として働く魅力を教えてください。

HIROTSUバイオサイエンスは、研究者にとって本当に良い職場だと言えるのではないでしょうか。広津社長は元々研究者だったので、研究者が働きやすい環境を真剣に考えてくれていると感じます。

トップが研究者であることはとても重要です。自分たちのゴールに対し、やるべきことや実現するための予算の確保を、必要最低限の説明で理解してもらえます。結果、研究のスピードを維持することができます。

最先端の技術でまだ見ぬ世界を創るためには、スピーディーなジャッジ、裁量のある働き方、フラットなコミュニケーションなど不必要なルールに縛られない環境が必要です。HIROTSUバイオサイエンスでは、柔軟性のある環境が用意されています。またHIROTSUバイオサイエンスの研究施設はオープンスペースも多くあり、他社の研究者とも交流が取りやすいので、最先端の研究をしたい研究者にとってはピッタリの場所だと思います。

エリック デ ルクシオ

エリックさん自身が良い職場環境を作るために意識していることはありますか?

私の役割は、創造的で前向きな開発環境を維持していくことだと認識しています。なので、トップダウンのコミュニケーションを取らないように気をつけていますね。アメリカやフランスでは、CEOでさえカジュアルにメンバーと接します。だからこそ誰とでもディスカッションが弾み、新しい発想が浮かびやすくなるのだと思います。私が目指すのもそのような職場です。そのため、自分も含め同じ場所にデスクを持ち、Face to Faceでいつでもコミュニケーションが取れる環境を意識しています。

自分の担当業務に真摯に取り組みながらも、お互いに興味があり、交流がある。今後も、研究者がイノベーションを起こしやすい環境で、新しい技術の開発にチャレンジしていきたいですね。

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