執行役員 COO 鈴木 彬 Akira Suzuki
アデコ株式会社の法人営業としてキャリアをスタート。2014年株式会社レアジョブに入社。法人事業部長、事業企画部長を経験後、事業分割化に伴い、事業開発部長に着任。2021年9月株式会社HIROTSUバイオサイエンスに入社。事業開発部長と営業部長を兼任し、N-NOSEのサービス拡大に務めている。
N-NOSEにとても可能性を感じたからです。僕は仕事は「誰とやるか」と「何をやるか」で決まると思っているのですが、「何をやるか」という点で強烈に引き込まれたのがこの会社でした。
当時、前職で非常に良いポジションを提示いただいていました。給与は高くなるし、チャレンジングな内容でやりがいもある。でも、ものすごく葛藤があったんです。なぜなら「誰とやるか」と「何をやるか」のどちらも引き込まれるポイントがなかったから。
僕は自分の人生観や職業観として、“人生を謳歌しているビジネスマンで在りたい”と思っています。だから、条件面がいくら良くても、毎日つまらない顔をして会社に行くのは嫌なんですよね。魅力的な肩書きがあっても、自分の心に嘘をついて演じるのは違うなと思っています。そのようなタイミングで、自分の選択肢を広げるためにも定期的にエージェント経由でお話をいただいていたのですが、全く違う業界ながらも一番ワクワクする未来が描けたのが、HIROTSUバイオサイエンスでした。
僕の過去3〜4年の話で言うと、母親が癌になっています。抗癌剤治療や放射線治療などありとあらゆる治療法を試しましたが、進行を食い止めることはできていません。まともに会話ができなくなり、弱っていく母親を見て、東京に出てから親に何もしてあげられなかったなと申し訳なく思う気持ちがずっとあったんですよね。
その経験もあって、N-NOSEのことは知っていました。そして話をいただいた時に、「そういう事か」と。自分自身では母の癌は治せないですが、自分にはN-NOSEを広め、多くの命を救うという使命があるのではないかと思ったんです。
最初はバイオとか医療とか難しそうだなと思いましたが、結局やる内容はN-NOSEというサービスを世の中に広めるだけなんですよね。もし、ドクターと専門的な内容のやり取りをする必要があるなら、さすがに僕もこの年で全く異なる畑違いの業界への入社を決断できなかったでしょう。でも、HIROTSUバイオサイエンスで求められていることは、「N-NOSEを通じて事業を作ること」です。そのために何をやるべきかを考えた時に、今までの経験が十分に活かせるなと思いました。
事業部長として、N-NOSEのサービス拡大に務めています。最近は、アフターサービスを立ち上げたり、大手薬局とのアライアンスを行ったりしています。
僕はゼネラリストとして、事業に足りないことは何でもやります。それが僕の役割です。入社時も明確な何かを任命された訳ではなく、ゼネラリストとして事業全体を見て「ここはテコ入れするべきだろう」という部分を、優先順位をつけてどんどん改善していました。入社時からそれは変わらないですね。
大きく3フェーズに分けることができます。第1フェーズは購買フローの整備。当時、全国放送でテレビCMを流すことは決まっていたのですが、お客様がサイトに来た後のフローはほとんど整備されていませんでした。せっかく集客ができても、これでは購入には至りません。慌てて、サイトのディレクションやコールセンターの立ち上げに着手したんです。それが最初の2〜3ヶ月くらいですね。
次に第2フェーズとして、法人営業の再編成を行いました。営業戦略を作って、KPIに落とし込み、チームや役割を決め、数値管理ができるよう整備しました。今は第3フェーズとして、やっと「N-NOSEの本来の価値」や「N-NOSEらしさ」が何なのかを思考しながらサービスに落とし込むところまで来た感じです。最近だと「N-NOSE安心アフターサービス」というサービスをリリースしました。僕も思い入れがあるサービスであり、日経新聞にも転載されたので印象に残っていますね。
前職で上司から「鈴木はゼネラリストが向いている。CEOじゃないCOOだ」と言われ続けて、自分はそういう人なんだなという感覚を持ちました。僕は華やかな学歴やキャリアを持っていないからこそ、自分の強みをどう活かすのかを考えて動くようにしていたのもあります。
前職で厳しい上司の元で責任感や緊張感と向き合い、仕事に対する捉え方も大きく変わりました。この会社で僕より事業の解像度が高い人間はいない。勝手ながらもそう思っていましたし、優秀な人材が多くいる中で負けたくないという気持ちもあったので、仕事にはコミットしていました。無茶難題を乗り越えながらも、今できることに全力で取り組んだおかげで、何が起きても動じずに対応できるようになりました。
広津社長は、ゴールはぶれずにそこに向かうための方法を柔軟に変えることができます。社員の意見も聴きいれてくれる点で成功する社長だと思います。私たちはベンチャー企業なので、戦局に合わせて柔軟に早く対応していかないと大手企業には勝てません。広津社長はその点では新しいことを積極的に取り入れますし、自分の専門外の知識もキャッチアップしているのが分かります。だからこそ、社長が決めるべき意思決定もスピード感を持ってきっちり判断してくれるので尊敬できます。
広津社長は東大卒、世界初の技術で注目されているベンチャー企業の社長ということもあり、近寄り難い印象を持っている人もいるかもしれません。でも、本当はとても人間味あふれる方です。人間、広津崇亮という感じ。家では、海外サッカーが好きな普通のお父さんだと思いますよ。
自分次第でどのような組織にもできるし、事業の方向性だって自分たちの意思で決めていける。これはベンチャーフェーズならではの大きな魅力ですね。大体の会社はもうすでにできあがっているので、組織風土からつくることはできません。僕は自分でどうにでもできることに楽しさを感じるので、今のHIROTSUバイオサイエンスのフェーズはぴったりです。
自分で決めて主体性を持って取り組むことを大事にしています。あと自分なら何でもできると思っています。自分がやりたいと思ったことは必ず実現できる。もちろんできない自分に悩むこともありますけど、時間と人生が勿体無いだけですよね。
ちなみに、価値観は人との出会いなど様々な事で変わるものだと思っているので、キャリアステップや今後の人生をどうしたいかについては深く考えていません。事実、今できることに集中し、やるべきことをやってきた結果、10代、20代、30代と価値観は大きく変わってきています。
ただ、自分自身の生き方として「子供が憧れるオヤジになりたい」という気持ちは強く持っています。この前、5年前の僕の写真を見た息子と娘が「パパ、今の方がかっこいいね!」と言ってくれたんですが、すごく嬉しかったです。見た目や醸し出される雰囲気はどう生きているのかが分かりやすく反映されるものだと思っています。いつまでも魅力的だと思われる自分でいることが、人生の充実度や成功にも繋がるのではないでしょうか。そのためにも今できることを全力で取り組み、楽しむ。自分と向き合って勝負していると、結果的にやりがいや収入など後からついてくるものもたくさんあります。
HIROTSUバイオサイエンスは、今まさに事業も組織風土も作れるフェーズにあります。だからこそ、全てが自分の意思次第。大企業にいると、大の大人が議論するべきではないことに時間を取られることがあるのも事実ですが、当社なら責任ある大人として、またプロフェッショナル集団として、目的に向かってシンプルに事業を展開できる環境があります。思いっきり挑戦したい人にはとても恵まれている環境です。僕自身も、事業を成功に導くのは自分次第という責任と覚悟をもち、母の件を含め、これは天命だと思って事業を拡大させていきたいと思います。もちろん人生を最高に楽しむことも忘れずにいたいですね。