PARADIGM SHIFT
生物の能力を活かす未来

生物が常識のパラダイムシフトを起こす
PARADIGM SHIFT
made possible by C. elegans

生物の能力を活かす未来

がんを含む病気の発見には、現在マーカーによる診断、画像診断が使用されていますが、既存の技術はほとんど全て人工機器(センサー、キット)による検知を主としています。

ごく微量の病気特有物質、小さい病変(早期の場合特に)を早期に検知するためには、感度を優先すると高額機器による高コストな検査となり、低コストを優先すると精度が保てないという問題点がありました。

そのジレンマを打破するのが、新しいコンセプト「生物診断」です。
人工機器の感度を大きく凌駕する生物の能力を生かし、また飼育コストがかからない生物を選択利用することで低コスト化を実現できます。

さらに、病気を特徴づける物質は複数存在する場合が多く、それらを同時に検出しないと感度が保てませんが、人工機器は単一物質の検知に向いています。
一方、生物の場合、複数シグナルを検知、統合して判断することを最も得意としており(嗅覚では複数種の匂いを同時に感じることで、匂いを判断しています)、その点でも優れています。
これは、低分子医薬品から、細胞(生物)の能力を生かした再生医療、細胞治療へと変化しつつある治療分野の流れと一致しており、検査分野でもパラダイムシフトが起こると予想されます。

2015年に弊社代表の広津崇亮らが発表した「線虫によるがん検査(N-NOSE)」は、実用化が可能な生物検査の世界初の報告です。嗅覚の優れた線虫をがんの匂いの検知に用いることにより、高精度と低コストを同時に満たしているだけでなく、様々なメリットを併せ持つ技術です。

がんに限らず病気には特有の匂いがあると言われており、匂いを検知することで病気を早期に見つける技術の開発が期待されます。
人間を除く動物のほとんどは嗅覚を鋭敏にすることを生存戦略として用いており、線虫以外の昆虫など他の動物の活用も可能です。
また他の感覚では、人間より視覚の優れたハトを用いた病理診断の報告もあります生物診断は今後の発展が大いに見込まれます。

医療の両輪である診断、治療のうち、iPS細胞の発明により国産技術として細胞治療の道を切り開いた我が国としては、診療分野でも日本発の技術として生物診断を世界に広めていくことが期待されています。

N-NOSEの検査原理

N-NOSEではC. elegansの嗅覚の嗜好性を利用して検査を行います。がん患者の尿には特有の匂いがあり、それを好む線虫はがん患者の尿には寄っていき、健常者の尿には反応しないという動きをします。これにより受診者のがんの有無を以下のようなプロセスで判定します。

 

おおよそ1検体の検査に要する時間は1時間半程度で、10種類のがんの有無を90%以上の精度で判定することができます。
既存の検査ではセンサーなどの人工機器によって病気特有物質を検知しますが、N-NOSEでは線虫という生物の能力を生かす新しいコンセプトの技術です。
高精度化するとコストが高くなってしまうという人工機器のジレンマを解消する画期的なアイディアです。